母をサ高住に預けて、少し心に余裕が生まれた頃。
それでもどこかに、「本当にここでよかったのかな…」という迷いが残っていました。
そんなとき、第一希望だったグループホームから空きの連絡が。
悩みながらも、私は転居を決意します。
この記事では、母が新しい場所で過ごしはじめた日々の様子と、
私自身の心に起きた変化を、リアルな言葉でお伝えします。
サ高住とグループホーム、どちらが合うのか迷う方に届いてほしい体験談です🌸
迷いの中で届いた一本の電話
グループホームから空きの連絡が来たとき、 正直「移りたい」という気持ちはありました。
でも同時に、また転居することで母をさらに不安にさせるのではないか?とも思いました。
サ高住の生活にも少しずつ馴染んでいるように見えていたし、
「今回は見送って、次に空きが出たときに考えようか…」 そう考えていた矢先のことです。
背中を押してくれた言葉
以前、お世話になっていたデイサービスの責任者の方からこう言われました。
「サ高住での夜間施錠は、ストレスで認知症が進む原因にもなります。
グループホームの方が、絶対にお母さまには合ってますよ」
この言葉で私は、
「やっぱりグループホームにお世話になろう」
と心を決めることができました。
それでも、引っかかっていたいくつかのこと
転居にあたって迷った理由は、他にもありました。
- これまで母のために一生懸命動いてくれたケアマネさんが変わってしまうこと
- サ高住のホーム長さんもとても良くしてくださっていたこと
- わずか2ヶ月足らずで「引っ越します」と伝えることへの心苦しさ
それでも最終的に背中を押してくれたのは、ケアマネさんの退職の知らせでした。
「これで未練なく転居出来る!」
そう思った私は、ようやく決断できたのです。
頼りになるケアマネさんの、最後まで変わらぬサポート
翌日、私は思い切って転居の意向を伝えると
ケアマネさんは快く承知してくださり、すぐに動いてくれました。
サ高住のホーム長さんへの転居連絡、そして新しいグループホームのケアマネさんに、母のケアプランや引継書を届けてくださいました。
退職間近の忙しい時期にもかかわらず、 最後まで手を抜かず、丁寧に引き継いでくれたその姿に、私は感謝の気持ちでいっぱいになりました。
「何か困ったことがあったら、いつでも連絡くださいね」
そう言ってご自身の連絡先まで教えてくださったことも、忘れられません。
そして、これからは茶飲み友だち
後日、我が家に改めて挨拶に来てくださったケアマネさんに、私はこう伝えました。
「これからは、もし近くに来られたら、お茶でも飲みに寄ってくださいね」
今後は少しだけ立場を変えて、“茶飲み友だち”としてのご縁が続けばいいな…と、心から願っています。
グループホームの第一印象と見学時のこと
グループホームはこじんまりとした平屋の建物で、中央にリビングがあり、対面式のキッチンがあります。
リビングを囲むように入居者の部屋が配置されていて、 「どこに誰がいるか」がすぐにわかる、職員さんにとっても見守りやすい設計です。
見学の際、職員さんは「部屋で一人で過ごしてもいいし、リビングでみんなとおしゃべりしてもいい」と説明してくれました。
自由に過ごせるのに、さりげなく見守ってくれている。
このバランスの良さに惹かれました。
入居者さんたちの表情もとても穏やかで、 サ高住の見学で感じたピリッとした空気とは違い、ゆったりとした雰囲気。
「母がここで過ごす姿が自然と想像できる」
そんな場所だったからこそ、第一希望として申し込み、今回の転居に至ったのです。
引っ越しのごあいさつと、心に残ったひと言
グループホームへの転居が決まったあと、私は2ヶ月足らずでしたが、お世話になったサ高住のホーム長さんにお礼を伝えました。
「本当に短い間でしたが、大変お世話になりました」
と頭を下げると、
ホーム長さんはにこやかにこう言ってくださいました。
「グループホームは、お母様にはきっと合っていると思いますよ」
その言葉に、私は胸がじんわりと温かくなるのを感じました。
たとえ短い期間でも、
- 母のことをよく見てくださっていたこと。
- 入居したばかりのころ、家族が不安に思わないように母の笑顔をInstagramにアップしてくれたこと。
- そして、母のこれからの暮らしをそっと応援してくれていること。
その優しさが心に沁みて、私はあらためて「ここまでのすべての出会いに感謝しなくちゃ」と思いました。
心ある人たちに支えられた転居当日
転居当日、グループホームの責任者の方は、
なんとご自身の休暇を返上して大きなワゴン車で荷物を運びに来てくれました。
当日は、娘に母の相手をしてもらいながら、
私と姉で荷物を運ぶ予定でしたが、責任者の男性も一緒に手伝ってくださり、
重たい荷物もスムーズに搬出。
予定より早く準備が整いました。
母は少し不安そうにしていて、「どこに行くと?」と尋ねてきました。
私は「病院に行くんだよ」と伝え、車に乗せました。
玄関をでたところに、ホーム長さんと職員さん数名が待っておられ、
車で出発する母を笑顔で手を振って見送ってくださったのが印象的で有り難かったです。
母はその意味を理解していなかったようですが、
無邪気に手を振り返していました。
私の中では、2ヶ月足らずのサ高住での出来事が走馬灯のように頭の中で駆け巡りながらも、
「未練はない。この先の“安心”だけを見ていこう」
そう思って車を走らせていました。
あたたかく迎えられた新しい場所
グループホームに到着すると、
スタッフの方々がとてもあたたかく迎え入れてくれました。
母と私達は、他の入居者さんたちのいるリビングに案内され、
職員さんが「喉乾いてないですか?」とヤクルトを手渡してくださいました。
母は緊張しながらも、落ち着いた様子でヤクルトを飲み、
その姿に私はほっと胸をなでおろしました。
リビングの中にあった“ぬくもり”
その場にいた入居者さんが、私たちに明るく話しかけてくれました。
「お母さんはおいくつ?」
「85歳です」
「まあ、私は93歳よ!」
どこか品があって穏やかで、気さくな雰囲気の方でした。
他の入居者さんたちも、笑顔で私たちに視線を送ってくださり
まるで“転校生を迎えるような”温かさがそこにはありました。
サ高住では見られなかったこの雰囲気に、私は深く安心しました。
母を残して帰る日:でも、今回は…
その後、私たちは荷物を運び入れ、部屋を整え、
責任者の方と新しいケアマネさんに挨拶を済ませました。
母に声をかけて帰ろうかと迷いましたが、
「声をかけたらかえって不安にさせてしまうかも」と思い、そっと帰宅することにしました。
不思議と今回は、サ高住のときのような切なさは少なく、
「これでよかった」という達成感のようなものが心にありました。
1週間後、リビングに響く笑い声
転居から1週間後、母の面会に行くと、
母は部屋におらず、リビングで他の入居者さんたちとおしゃべりの真っ最中。
私の顔を見ると、職員さんが母を呼んでくれて、
母と2人で部屋で話をしました。
母はこんなふうに話してくれました。
「今日は仕事がなくて暇でね、みんなでおしゃべりしよったよ。」
どうやら母は、グループホームを“仕事の場”のように感じているようでした。
私は思わず笑ってしまいました。
「そっか。得意な家事やお手伝いをすることで、ここでも役割を見つけてるんだな」
と気づいたのです。
この感覚は以前お世話になっていたデイサービスの時と同じでした。
やっと見つけた母の「居場所」
その後も母は、体操やカルタ、しりとりなどのレクリエーションに参加したり、
おやつ作りを手伝ったりと、穏やかで楽しそうな毎日を送っています。
ある日、面会に行ったときは、
カルタ取りをしながら笑い声がリビングに響いていました。
「やっぱり、ここに来てよかった」
そう、心から思えました。
あのときの迷いが、少しずつ「安心」に変わっていく
以前は、「母の人生を変えてしまったかもしれない」と
後悔や罪悪感でいっぱいだった私。
でも今は、
「これでよかった」
と少しずつ思えるようになってきました。
正直、今でも時々不安になることはあります。
気持ちはいつも一定ではなく、その時々で揺れ動いています。
それでも、サ高住にいたときにはなかった “心の真ん中にある安心感”が、今は確かにあります。
施設入所は、家族にとって「これで良かった」と思えるときと、そうでないときがあるもの。
その波のような気持ちが、だんだんと緩やかになってきている気がしています。
そして私は、母が自分の役割と居場所を見つけられたこの場所に、心から感謝しています。
母がここで、役割と居場所を見つけてくれたこと。
そして、私が“娘の顔”でいられる場所ができたこと。
それが何よりの「安心」でした。
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