グループホームに母を預けてから、「施設に入れたら介護は終わりかな」と思っていた時期がありました。
でも、違いました。
施設に預けても、親との関わりは続きます。形が変わるだけで、家族のつながりはなくならない。
先日、2回目のグループホームのお食事会に参加して、改めてそう感じました。
参加する前の気持ち
お食事会の当日、家を出る前から気持ちがざわざわしていました。
母の体調はどうかな。気分はいいかな、それとも荒れているかな。
施設に入ってから、母の「その日の調子」は行ってみるまでわかりません。
今回は私ひとりでの参加でした。
前回(1回目)は姉も一緒だったので、なんとなく心細いような気持ちもありました。
そして・・・これは少し笑える話なのですが、メニューが、ひそかに気になっていました。
昨年の同じ時期のお食事会でピースご飯が出たことを、あとからホームのお便りで知ったのです。
ピースが苦手な私は「参加しなくてよかった」と密かに思っていました。
今年も同じ時期……もしまたピースご飯だったら……。
でも、そんな心配があっても、参加することは決めていました。
母にさみしい思いをさせたくない気持ちは、変わらないから。
ホームに着いて、母の顔を見たとき
玄関を入ると、いつもとは違う賑やかさがありました。
他のご家族も来られていて、職員さんは食事の準備にてきぱきと動いておられました。
お食事会の日は、ホーム全体がいつもより少しだけ華やいでいます。
母はダイニングの椅子に座って、うとうとしていました。
「娘さんが来られましたよ」と職員さんに声をかけてもらうと、ゆっくり目を開けて
私の顔を見て、笑顔になってくれました。
あくびをしながら「眠い」とは言っていましたが、表情はとても穏やか。
その顔を見た瞬間、ふっと肩の力が抜けました。

一緒に食べたお食事の時間
さて、気になっていたメニューですが・・・
ちらし寿司でした。
心の中でガッツポーズ。
ファンファーレが鳴り響きました(笑)。

母は終始ご機嫌で、「今日はどこから来たと?」「今、仕事してるの?」と近況を聞いてきます。
でも少し経つとまた「今日はどこから来たと?」。
認知症の母との会話は、よく無限ループになります。
同じ質問が続いてもこちらはちゃんと答えるし、母はそのたびに「ほー」と頷く。
それがいつものふたりのリズムです。
食事はおいしそうにパクパク食べていました。
「おいしい?」と聞いたら、首をかしげて「まあまあやね」。
……「まあまあ」と言いながら、出された食事は完食していました(笑)。

同じテーブルには、96歳のご入居者さんとお嫁さんがいらっしゃいました。
車で1時間半かけて来られたそうで、前回も参加されていたとのこと。
煮物のれんこんが固くて食べられないと、お嫁さんにそっと分けておられました。
お嫁さんは優しくそれを受け取って、静かに食べていました。
そのやりとりが、なんだかほっこりしました。
2回目だから気づいた母のおしゃれ
今回の母は前回よりもご機嫌で、ちょっとしたことでも笑いが止まらないほどでした。
そして気づいたこと・・・母の手の爪に、マニキュアが塗られていました。
家族が来るということで、職員さんがおしゃれをさせてくださったのだと思います。
「これ、誰が塗ったの?」と聞くと、母は少し得意げに「自分で塗ったよ」と答えました。
……職員さん、ありがとうございます(笑)。
前回はグリーンのアイシャドウと書いた眉毛で登場して私たちを驚かせた母でしたが、今回もちゃんとおしゃれをして待っていてくれました。
前回のお食事会の様子はこちら
▶ 母のグループホームのお食事会に参加して感じたこと
職員さんのひとことで見えた、ホームでの母の暮らし
今回のお食事会でいちばん心に残ったのは、職員さんのひとことでした。
「お母様はとてもよく家事を手伝ってくださいます。
手際もよくて、昔からよくされていたのだろうとわかります。
体が覚えているんでしょうね」
母は若い頃から、家事が生きがいでした。
認知症が進んでも、その手は覚えている。
今もホームで誰かの役に立っている。
誇らしかったです。
そして、安心しました。
記憶は薄れても、その人らしさは消えない・・・そう思えた瞬間でした。
仲良しの入居者さんと離れた切なさ
ホームに着いてから、いつも仲良くしていた入居者さんの姿が見えないことに気づきました。
母も気になるようで、廊下に出て探したり少し落ち着かない様子でした。
職員さんに尋ねると、その方は別のユニットへ移られたとのこと。
ユニット間でのトラブルがあり、お引っ越しがあったそうです。
その方は、外出するときも一緒、写真もいつも隣り合わせ、トイレに行くときは手をつないで・・・という仲良しの方でした。
別のユニットになったので、食事の時間には会えなくなりました。
母が寂しい思いをしているんじゃないかと、胸がちくっとしました。

ただ、「時々会わせるようにしています。
花に水やりするときなど、顔を合わせると楽しそうに話していますよ」と職員さんが言ってくださいました。
ちゃんと気にかけてくださっていることが、ありがたかったです。
グループホームの行事に参加してわかったこと
お食事会は、ただ一緒にご飯を食べるだけの行事ではありませんでした。
母が今どんなふうに暮らしているのか、職員さんや他の入居者さんとどんな関係を築いているのかを、家族が感じられる時間でした。
普段は会えない他のご家族と話せる場でもあります。
「うちも一緒ですよ」という言葉をいただくと、ほっこりします。
介護の孤独が、少し和らぐような気がします。
これから施設を検討されている方は、見学の際に「家族が参加できる行事はありますか?」と聞いてみてください。
どんな行事があるかは、施設選びのひとつの参考になります。
次回も必ず参加しよう、と思いました。
たとえピースご飯が出たとしても(笑)。
施設に預けても、家族の関わりは続いていく
母をグループホームに預けることを決めたとき、正直「これで私の役目は終わりかな」と思っていた部分もありました。
でも、違いました。
施設に入ってからも、介護は続きます。
在宅で追い詰められていたときには気づけなかった母の穏やかな顔、職員さんへの信頼、ホームでの小さな楽しみが、今は見えるようになってきました。
施設に預けることは、逃げでも終わりでもない。
家族の関わり方が変わっただけだと、少しずつ思えるようになっています。
まとめ
今回のお食事会、ピースご飯じゃなくてよかったです(本当に)。
笑いながら食べて、無限ループの会話に付き合って、職員さんの言葉にじんとして、少し切なくもなりました。
でも帰り道は、あたたかい気持ちでした。
施設に入っても、家族の形は変わるけれど、つながりはなくならない。
そのことを、またひとつ確かめられた日でした。
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