「タイミングが命!」──母の通院拒否から、認知症受診と服薬管理に奮闘した日々

ヒント
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認知症になる前から、母には高血圧・高血糖の持病があり、月に一度近所の内科に通っていました。
ところが、ある一言をきっかけに「もう病院には行かんでいい」と言い出してしまって──。

その後、認知症の受診や服薬管理にもいろんな“ひと工夫”が必要に。
今回は、母の通院拒否とその対策、薬の管理の試行錯誤についてお話しします。

🏥 通院をやめてしまった母──「先生」のひと言が効いた日

在宅介護が始まる前、まだ認知症の診断もなかった頃の話です。
母は高血糖と高血圧のため、近所の内科に月に一度通っていました。

この頃はまだ物忘れの自覚もなく、通院もひとりで問題なくできていました。

ところがある日、近所の人からこう言われたそうです。

「私も高血圧だったけど、もう病院行ってないよ。薬飲まなくても元気だし。」

この言葉をきっかけに、母はこう言い出しました。

「私もそんな大したことないし、体も元気やし、もう病院行かんでもよさそうやね。」

そしてその日から、通院をやめてしまったのです。


💊 私の言葉は届かない

「薬は勝手にやめたらダメよ」
「病院にはちゃんと行ったほうがいいよ」

何度伝えても、母は「大丈夫」「これ以上よくも悪くもならん」の一点張り。
数ヶ月、病院に行かない日々が続きました。

📞 同僚のひと言で、事態が動いた

この状況を職場で何気なく話したとき、同僚にこう言われました。

「それは心配やね。その病院に電話して先生に相談してみたら?」

その発想は私にはありませんでした。
すぐに内科に電話をして、先生に事情を説明すると──

「それは困ったね。じゃあ私からお母さんに直接電話してみようか?」

私は、すぐにお願いしました。


☎ 先生の電話に、母がしょんぼり…

その日の夕方、母が言いました。

「今日ね、内科の先生から電話があって……。病院に来たほうがいいって言われた」

少ししょんぼりとした母に、「じゃあ今度の土曜日、一緒に行こうか?」と声をかけると、
素直にうなずいてくれました。

私が何度言っても届かなかったのに……
**先生のひと言で、あっさり納得!?**と、ちょっと拍子抜けでした(笑)

👨‍⚕️ 先生のやさしい説得と安心感

久しぶりの通院時、先生は母にこう説明してくださいました。

「薬を自己判断でやめると、血圧がまた高くなってしまいます」
「他の人が病院に行かなくて済んでいるからといって、〇〇さんにも当てはまるとは限らないですよ」

とても優しく、でもしっかりと話してくださったので、母も素直に聞いてくれました。

やっぱり、「先生の言葉」には魔法がある。

特に母のような世代の人には、「先生」の言葉に不思議な説得力があるように思います。

🧩 “相談すること”の大切さ

この経験から私は学びました。

困ったら、誰かに相談してみること。
たったそれだけで、状況が大きく変わることがあるんだと。

🛻 月1の受診を減らすために…私がやった“裏ワザ”

その後、頭を打ったことがきっかけで「脳神経外科」を受診し、認知症の診断もあって月1回通うことに。

最初は拒否もなく行ってくれていたのですが、
病院まで車で20分かかり、しかも待ち時間が長く……だんだんと渋るように。


実は、病院の先生に相談したわけではなく──
これは私の独断でやったことなのですが…。

母がどうしても受診を嫌がるときは、
「今日は体調が悪くて来られません」と理由をつけて、
私ひとりで病院に行き、処方箋だけをもらってくるようにしました。


これで、母の通院は2ヶ月に1度で済むように。
毎回「行こう行こう」と説得してイライラするより、
この方が精神的にもずっとラクだったんです。


⚠ でも…先生から思わぬ忠告が

そのやり方を何度か続けていたある日、先生からこう言われました。

「本来はご本人を診たうえで薬を処方するのが原則です」
「何度も代理受診が続くと、介護認定などの判断材料がなくなってしまい、
今後の申請に影響する場合もありますよ」

……と忠告を受けました(泣)


🙅‍♀️このやり方は、おすすめできません

当時の私は「仕方ない」「今はこれで乗り切るしかない」と思っていたけれど、
先生の言葉を聞いて、「そりゃごもっとも」と反省。

毎回こんなことしてても、母のためにはならないな──
そう思って、違う方法を考えることにしました。

🚗 ご機嫌タイムを狙え!「デイサービス帰宅直後が勝負」

そこで編み出したのが、「デイの帰宅直後作戦」!

デイから帰ってきた直後のごきげんタイムに、そのまま病院へ直行!

靴を脱ぐ前に車へ誘導してしまうのがコツです(笑)
母も「なんか連れていかれたな〜」と思いつつ、素直についてきてくれました。


📦 「飲んだ?飲んでない?」混乱の薬タイムとの闘い

最初は、母が自分で薬を管理していました。
曜日別のケースに仕分けしていたのですが……

  • 同じ薬を2回飲んでしまう
  • 飲んだことを忘れて、また飲もうとする
  • 違う曜日の薬を飲む

そんなことが起こるようになり、私が管理することに。


毎月の薬を薬カレンダーに【朝・夜】で1ヶ月分仕分け。
種類やタイミングもさまざまで、まさに内職気分。

母がデイに行っている間、黙々と分けるのが月一の作業になりました。

⚠ 血糖値の爆上がりで「要・厳格管理」モードへ!

ある日、先生から電話がありました。

「血糖値がかなり上がっていて、このままでは入院の可能性もあります」

糖尿病外来を紹介され、**新たな薬(朝食後に必ず服用)**が追加されました。


ここからは、服薬のタイミングが命!

朝食の横に薬を置くと、まだ食べてないのに飲もうとする。
逆に、食べたあと忘れて捨ててしまうことも。

だから私は、必ず「食後に直接手渡し」するように。

会社に行く前に、飲むところまで見届ける毎朝。
小さなことだけど、これが精神的にけっこうきつかったです。


🌱 まとめ:一人で悩んでも答えが出ないときは…

母との介護の日々で痛感したのは、

「家族だからこそ、届かない言葉がある」

でもそんな時こそ、「外の人の力を借りる」ことで
ふわっと状況が動くことがあります。


誰かに相談する。少しだけ巻き込んでみる。
それだけで、自分では思いつかなかった答えや変化が生まれることもある。

ひとりで抱え込まず、「ちょっと話してみる」
それが、大きな安心につながるかもしれません。

🧾 おまけ:知っておきたい制度「リフィル処方箋」

これは余談ですが──
母が施設に入所したあと、「リフィル処方箋」という制度の存在を知りました。


💡 リフィル処方箋とは?

「リフィル処方箋」は、症状が安定している患者で一定の要件を満たした場合に、医師が定めた期間内に最大3回まで繰り返し使用可能な処方箋で、令和4年度(2022年度)に導入されました。通常の処方箋では、医師が決めた日数分の薬を1回だけ受け取れますが、リフィル処方箋では、診察を1回受けて1通の処方箋を発行してもらうだけで、一定の間隔で最大3回まで繰り返し薬を受け取ることができます。(出典:政府広報オンライン

私自身も高コレステロールの薬を処方してもらう際に、
「リフィル処方箋でお願いします」と伝えたところ、
3回分の処方箋をいただけるようになり、月1の通院が不要になりました。

病院や症状によっては対応できないこともありますが、
こういう制度があることを知っておくだけで、選択肢が広がる気がしています。


☘小さな工夫と、ささやかな情報が助けになる

介護中は、ほんの少しの“時短”や“省エネ”が、大きな助けになりますよね。
「制度を知っているかどうか」で、負担の感じ方も変わることがあります。

気になった方は、かかりつけの病院や薬局で相談してみてくださいね。💊

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