認知症介護は、日々の中で突然、心が押しつぶされそうになる瞬間があります。
出口が見えず、「もう無理かも…」と思う日もありました。
そんな時、そっと寄り添ってくれたのは家族の存在。
今回は、介護の中で「本当に救われた」と感じた瞬間を3つご紹介します。
これから介護を続ける方や、支える立場の方のヒントになれば嬉しいです。
🌀 【認知症介護】デイサービス拒否された日と息子がくれた救いの時間
順調に通っていたはずの母が、ある日突然「もう行かん」とデイサービスを拒否。
何度説得してもダメで、職員さんの誘いにも笑顔で断る母の姿を見た瞬間、胸の奥がスーッと冷えていきました。
涙があふれて2階に上がり、寝ていた息子の部屋へ。
突然起こされた息子は困った顔をしていましたが、黙って話を聞いてくれました。
その日の夕方、ウォーキングに誘うと黙って付き合ってくれ、外の空気を吸いながら他愛もない会話をしているうちに、張り詰めた心が少しずつほぐれていきました。
たった30分の散歩でしたが、あの日の私にとっては何よりの救いでした。
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🔒 【認知症介護】物取られ妄想で家出…娘と息子に救われた瞬間
母の財布が見つからないのは日常茶飯事。
でもその日は「どこに隠しとる?あんたが隠すからお金が使えない」と、犯人扱いされました。
突然の言葉に胸が締め付けられ、「盗ってないよ」と何度も伝えても疑いは消えません。
ようやく財布が見つかったとき、母は笑顔で「こんなところにあったよ」と言いましたが、その笑顔を見ても気持ちは晴れませんでした。
この繰り返しに心がすり減り、とうとう家を飛び出しました。
家出先に娘が来て「いつでも話聞くよ」と私の話を最後まで聞いてくれました。
一方、息子は私を探しに行って、帰ってこない母を家の周りや近所を探し回ってくれていたそうです。(その後、近所の方が母を連れて帰ってきてくれ、大事には至りませんでした。)
私が距離を取っている間も、家族が全力で支えてくれていたことが、何よりの救いでした。
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🍚 【認知症介護と糖尿病食事制限】子どもたちの協力で続けられた日々
ある日、先生から「血糖値が高いので糖尿病外来へ」と告げられ、食事制限が始まりました。
「ご飯は少なめにね」と伝えても数分後には忘れ、「おかわりしようかね」と言う母。
そのやり取りは1日に何度もありました。
私はご飯を必要量だけ炊き、余りはすぐ冷凍庫へ。1食160gを計量してラップで包み、白米をマンナンライスに替えました。
毎日続く作業に、「私の生活は全部介護に飲み込まれている」と感じる日もありました。
さらに、砂糖やお菓子など甘い物はすべて私の部屋(2階)に移動。
母が自由に手に取れないようにしました。
そのため、子どもたちが毎回2階の私の部屋まで必要な物を取りに行ってくれました。
階段の上り下りは手間だったはずですが、文句も言わず協力してくれ、そのおかげで制限を続けることができました。
日々の小さな協力が、「私は一人じゃない」という安心感に繋がりました。
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🌿 まとめ──支えは“大きなこと”じゃなくてもいい
振り返ると、私が限界を感じていた時はすべて「私一人で抱え込んでしまった時」でした。
その時、私を救ってくれたのは特別なことではありません。
- 話を聞いてくれたこと
- 一緒に歩いてくれたこと
- 探してくれたこと
- 不便なことも協力してくれたこと
こうした小さな行動が、介護の重さで押しつぶされそうな私の心を何度も支えてくれました。
介護をしている方も、支える立場の方も、「特別なことをしなくちゃ」と思わなくて大丈夫です。
ほんの少し寄り添うだけで、救われる瞬間は必ずあります。
そしてこの記事を書きながら思い出したのが、認知症専門医・長谷川嘉哉先生の言葉です。
「認知症介護は、誰か一人が頑張ってやるもんじゃない」
あの日の私も、きっとその通りだったのだと思います。
だからこそ、これからも一人で抱え込まず、家族や周囲の人を巻き込みながら、支え合いながら進んでいきたいです。
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