デイサービスを嫌がる認知症の親への対応|母が通えるようになった工夫と相談先

ヒント
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認知症の親がデイサービスを嫌がるとき、無理に説得しようとするよりも
「前日に伝えない」、「当日は職員さんに任せる」、「本人に合うデイサービスを探す」
「ケアマネさんに相談する」といった工夫が、状況を変えるきっかけになることがあります。

私は認知症の母の在宅介護をしていた時期に
デイサービスの拒否に約11か月、ほぼ1年近く悩みました。

「そんなとこ行かん!」と言って部屋に閉じこもる母。

迎えに来てくれた職員さんに
「私はね、家でやることがたくさんあるので行けないの」
と笑顔でやんわり断ってしまう母の姿に、何度も途方に暮れました。

その後、ケアマネさんが変わり、
デイサービスも変わったことで、母は少しずつ嫌がらずに通えるようになりました。
しかも「仕事に行ってくるね」と言って出かけていくようになりました。
母はデイサービスを仕事だと思っていたようです。

この記事では、認知症の母のデイサービス拒否に悩んだ経験をもとに、
試してよかった工夫と、家族が少し楽になるための考え方をお伝えします。

この記事でわかること

  • 認知症の親がデイサービスを嫌がるときの考え方
  • 試してよかった工夫(前日に伝えない・職員さんに任せるなど)
  • 認知症専門デイサービス(認知症対応型通所介護)という選択肢
  • ケアマネさんへの相談で変わったこと
  • 「永遠に嫌がることはない」という専門医の言葉

1.認知症の親がデイサービスを嫌がるときに大切な考え方

1.1.無理に説得しようとすると逆効果になることもある

「どうしてわかってくれないの」「昨日は行くって言ったじゃない」
こうした言葉が出てしまうのは、家族として当然の気持ちです。

でも、認知症の方に対して論理的な説得を繰り返すことは、
かえって不安や抵抗感を強めてしまうことがあります。

認知症の方は、自分がどこへ連れていかれるのかわからず
不安を感じやすいことがあります。
「行きたくない」という言葉の背景には、不安や戸惑いが隠れていることもあります。

デイサービス拒否への対応として大切なのは、
「なぜ嫌がるのか」を責めずに受け止め、小さな工夫を積み重ねることです。

1.2.家族だけで抱え込まないことが大切

デイサービスの拒否が続くと、家族の負担はどんどん大きくなります。
「私がなんとかしなければ」と一人で抱え込みがちですが
こういうときこそ、ケアマネさんや地域包括支援センターに相談することをおすすめします。

「うちの親は特別難しい」と感じているかもしれませんが、
デイサービス拒否は多くの介護家族が経験していることです。
相談することで、思いがけない選択肢が見つかることもあります。

2.デイサービスを嫌がる認知症の母に試してよかった工夫

2.1.前日に予定を言わない

以前の私は、毎晩「お母さん、明日はデイサービスの日だよ」と伝えていました。
忘れないように、準備してもらえるようにと思っていました。

でも、それが逆効果だったと気づくまで、しばらくかかりました。

前日に伝えると、母はその夜から不安になり、
「行きたくない」という気持ちをずっと温めてしまっていたようです。

認知症の方は、慣れない場所や先の見えない変化に対して
強い不安を感じやすいといわれています。
当時の母は、被害妄想が出ていた時期でもありました。

試しに前日には何も言わないようにしてみると、
当日の朝、落ち着いてその場を迎えられることが少しずつ増えてきました。

2.2.当日は職員さんに対応を任せる

前日に伝えないと決めてからは、当日の声かけも変えました。

私が「さあ出かけよう」と言うと、娘から言われることへの抵抗感が出やすかったのか
構えてしまうことがよくありました。

それよりも、迎えに来てくれた職員さんに最初から対応をお願いする方が
母は自然に動けることがありました。

職員さんが「〇〇さん、今日も来ましたよ!」と明るく声をかけてくれる。
それだけで、スムーズに玄関を出られる日もありました。

「娘に言われると嫌」「職員さんには素直」というのは、
認知症の方にはよくあることだと、後から知りました。

2.3.本人の性格に合うデイサービスを探す

デイサービスを拒否していた時期、母に「楽しめる場所」を探そうと考えていました。

でも後から気づいたのは、母は「楽しむ」よりも「役に立つ」ことを求めていたということです。

母は趣味娯楽を好むタイプではなく、昔から家事をするのが大好きでした。
新しいデイサービスでは、うどん打ちや餃子の皮包みなど、
手を動かして”誰かの役に立っている”と感じられるような活動がありました。

本人の性格や得意なことに合った活動があるかどうかは
施設を選ぶうえで大切なポイントだと感じています。

試してみてほしい工夫まとめ

  • ☑ 前日には伝えない
  • ☑ 当日の声かけは職員さんにお任せする
  • ☑ 本人の性格や得意なことに合った施設を探す

3.デイサービス拒否が続くなら、施設そのものを見直す選択肢もある

3.1.認知症専門デイサービス(認知症対応型通所介護)という選択肢

「デイサービスはどこも同じようなもの」と思っていた時期が、私にもありました。

介護保険制度のサービスとして

介護保険制度には「認知症対応型通所介護」というサービスがあります。一般的には「認知症専門デイサービス」と呼ばれることもあり、認知症のある方が通いながら、日常生活の支援や機能訓練などを受けられるサービスです。

母が変わったデイサービスも、認知症の方への対応に慣れた施設でした。

日常的に認知症の方と関わっているからこその、声かけや対応の安心感がありました。
母が不安そうにしているときも、無理に説得するのではなく、
自然に気持ちを切り替えられるように関わってくれていたように感じます。

最初に体験に連れていったとき、帰ってきた母が「また行きたい」と言ったときには
信じられなくて呆然としてしまいました。

認知症対応型通所介護や、認知症の方への対応に慣れたデイサービスは、
一般的なデイサービスに比べると数が多くないこともあります。

自分だけで探すのが難しい場合は、ケアマネさんに
「認知症対応型通所介護や、認知症の方への対応に慣れたデイサービスはありますか?」
と聞いてみてください。

3.2.母に合っていたのは「趣味」より「家事に近い活動」

前述のとおり、母には趣味的な活動よりも、家事に近い作業のある環境の方が合っていました。
「役に立っている」という感覚が持てる場所では、母は自然と馴染んでいきました。

本人がどんなことに喜びを感じるか、どんな環境が落ち着けるか
それを一番よく知っているのは、長年一緒に暮らしてきた家族です。
施設見学や体験の際に、そのことをスタッフに伝えてみると
対応も変わってくることがあります。

3.3.ケアマネさんに相談して情報を集める

認知症専門デイサービスの存在を私が知ったのも、ケアマネさんからの紹介がきっかけでした。
自分では見つけられなかった情報を、ケアマネさんが持っていることは少なくありません。

「今のデイサービスが合っていないかもしれない」と感じているなら
まずはケアマネさんに正直に相談してみてください。

「こういうことが好きな人に合う施設はありますか?」と具体的に伝えると
選択肢を出してもらいやすくなります。

4.ケアマネさんの提案で、知らなかった選択肢に出会えた

4.1.新しいケアマネさんが紹介してくれたデイサービス

担当のケアマネさんが休職されることになり、新しいケアマネさんに変わりました。
新しいケアマネさんが挨拶に来られ、引き継ぎが始まりました。

その後、新しいケアマネさんは訪問のたびに母の様子をよく観察してくれて、
ある日「お母様に合いそうなデイサービスがあるので、よければ体験してみませんか」
と提案してくれました。

それが、認知症専門のデイサービスでした。

新しいケアマネさんの関わり方に、私は正直驚きました。

訪問のたびに母の様子をよく見てくれて、
「どんな場所なら母が安心できるのか」を一緒に考えてくれる姿勢がありました。

同じケアマネジャーでも、持っている情報や提案の仕方によって、
家族が知る選択肢は大きく変わるのだと感じました。

関連記事

ケアマネさんが変わって、介護の流れが変わった体験はこちらに書いています。
ケアマネさんが変わって、介護が変わった話

4.2.合わないと感じたら変更を相談することもできる

ケアマネさんとの関係に「なんか違うな」と感じることがあれば
変更を相談することもできます。

いきなり変更を申し出るのはハードルが高く感じるかもしれません。
まずは地域包括支援センターや担当事業所に「相談したいことがある」
と話してみるのが、一つの方法です。

5.デイサービスを嫌がるのはいつまで続く?専門医の言葉に救われた

5.1.「永遠に嫌がることはない」という言葉

あの苦しかった時期に、私が救われた言葉があります。
認知症専門医の長谷川嘉哉先生の動画で聞いた話です。

母の場合、デイサービスを嫌がる時期は約11か月、ほぼ1年続きました。
その間は「いつまでこの状態が続くんだろう」と何度も思いました。

でも、ケアマネさんが変わり、デイサービスが変わったことで、少しずつ通えるようになりました。

先生は「デイサービスを嫌がる親御さんが、永遠に嫌がり続けることはない」
とおっしゃっていました。

嫌がる時期は確かにある。
でも、時間が経つとともに通えるようになるケースが多い、と。

もちろん、すべての方に同じように当てはまるわけではないと思います。
それでも、「今の状態がずっと続くとは限らない」と思えたことが
私には大きな支えになりました。

その言葉を聞いたとき、ほっとして涙が出てきました。
「デイサービスを嫌がるのはいつまで続くのか」と不安な方に、この言葉が届いてほしいと思います。

5.2.家族が少し肩の力を抜くことも大切

デイサービスに通ってほしいのは、親のためでもあり、
家族自身が少し休めるためでもあります。

それなのに、毎朝格闘して疲れ果ててしまっては、介護そのものが続かなくなってしまいます。

「今日は無理だった」という日があっても、自分を責めないでください。

介護は、完璧にできなくていい。
「うまくいかない日」があることも、前提にしておいてほしいと思います。

関連記事

母がデイサービスを拒否していた頃の詳しい体験は、こちらの記事に書いています。
デイサービスを嫌がる母との日々

6.まとめ:デイサービスを嫌がる親には、説得より環境づくりが大切

認知症の親がデイサービスを嫌がるとき
何度説得を繰り返してもうまくいかないことがあります。

それは、あなたの言い方が悪いのではなく、認知症という状態そのものが
理由のある説得を難しくしているからです。

まず、小さな工夫から始めてみてください。

  • ・前日に伝えない。当日は職員さんにお任せする
  • ・本人の性格に合う活動があるデイサービスを探す
  • ・ケアマネさんに相談して、知らなかった選択肢を教えてもらう
  • ・どうしても合わないと感じたら、ケアマネさんや地域包括支援センターへの相談も選択肢のひとつ

そして、覚えていてほしい言葉があります。

「永遠に嫌がることはない」。
私自身も、この言葉に何度も救われました。

今、デイサービスのたびに消耗しているなら
まず「今夜は明日のことを言わない」だけでいい。
それだけで、明日の朝が少し違うかもしれません。

疲れているのは、それだけ一生懸命に向き合ってきたからです。
一人で抱え込まずに、少しずつ周りを頼ってみてください。

この記事が、同じように悩んでいる方の小さなヒントになれば嬉しいです。

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