親の家、この先どうする?:空き家相談と遺品整理セミナーで終活を考えた体験談

ヒント
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「親の家、将来どうしよう・・・」

そんな不安をずっと心の片隅に抱えながら
市役所の広報誌でこんな案内を見つけました。

「空き家相談会&家財整理セミナー」

最初は「空き家の相談ができれば十分」と軽い気持ちで申し込んだのですが
申込み時に職員さんから「家財整理の講演もありますよ」とすすめていただいて
「せっかくだし…」とセミナーにも参加することにしました。

その日の帰り道、わたしは遺品整理のこと、親の家のこと、そしてお墓のことまで
頭のなかでずっと考え続けていました。

この記事では、そのときに見聞きしたこと・感じたことをお伝えします。

この記事でお伝えすること

  • 家財整理セミナーで聞いた、忘れられないエピソード
  • 空き家相談で分かった「親名義の家」の現実
  • セミナーをきっかけに考え始めた、終活・墓じまいのこと

同じように「親の家のこれから」で悩んでいる方に、少しでもヒントになれば嬉しいです。


セミナーに参加したきっかけ

わたしは今、母の名義になっている家に暮らしています。
子どもたちもいずれ巣立ち
いつかはこの家にわたし一人が残ることになります。

広すぎる家、通勤の負担
そして「空き家にしたらどうなる?」という漠然とした不安。

そんなとき、たまたま目にした自治体の広報誌に
「空き家相談会」の案内が載っていました。

申し込んでみると、職員さんから
「同日に家財整理の講演もあります。よかったら聞いていきますか?」
と声をかけていただきました。
「少しだけなら」と軽い気持ちで参加したセミナーが
思いがけず深く心に残ることになりました。


家財整理セミナーで聞いた、忘れられない話

講師を務めたのは「(一社)家財整理相談窓口」の代表の方。
現場で積み重ねてきた実体験から、いくつかの話をしてくださいました。

「毎年1枚、遺影用の写真を撮ってください」

講師の方は現在52歳。20歳で結婚されたそうですが
奥さまは40歳という若さで突然亡くなられたとのこと。

そのとき一番困ったのが
奥さま一人で写っている写真が一枚もなかったことだったそうです。

アルバムには子どもたちの写真ばかり。
遺影は、仕方なく「一緒に写っていた写真を切り取って作った」のだとか。

毎年1枚、遺影用の写真を撮ることをお勧めします。

その言葉が、じんわりと胸に残りました。
写真を撮ることが苦手な方も多いと思いますが
「残された家族のために」と考えると、少し意味が変わってくる気がします。

現金5000万円と、遺書に書かれた一文

ある日、ひとり暮らしの80代女性が亡くなり
部屋から現金30万円が見つかりました。

そこから、37年間音信不通だった娘さんの連絡先が判明し
遺品整理の依頼が入ったそうです。

ところがその娘さん、当初は一度も実家に来ることなく
「その30万円ですべての遺品整理をお願いします」とだけ連絡してきたそうです。

作業を進めると、今度は800万円の現金が出てきたため再度連絡。
そのとき初めて、娘さんが実家を訪れました。

その後も作業を続けると、次々と現金や通帳が見つかり
最終的には総額5000万円近い現金・通帳、そして遺書も発見されたとのこと。

遺書にはこう書かれていました。

「このお金の一部は、見つけてくれた方に。残りは恵まれない子どもたちに寄付してください。」

もちろんお金はすべて娘さんに引き渡されたそうですが
そのとき娘さんは涙を見せることもなく、ハンカチで頬を押さえながら一言。

「このお金は、全額寄付させてもらいます。」

そう言って帰られたとのことでした。

「その後どうされたかは、わたしには分からないのですが」
と講師の方は静かにひとことつけ加えました。

寄付してくれていたら、と願うばかりです。

枕カバーの中に残されていた手紙

もうひとつのエピソードは
遺品整理の途中で枕カバーの中から見つかった手紙の話です。

「この枕は、亡くなった妻が最後に使っていた枕なので永久保存してほしい。」

闘病生活を送っていた奥さまが、長年使っていた大切な枕だったそうです。

依頼された娘さんは最初、「どうしてこんなに物を残して…」
と後始末にうんざりしていた様子だったそうです。

けれど手紙の内容を知り、「無口だった父が、母をこんなに想っていたのか」
と、それまでの父への気持ちがふっと変わり、自然と涙がこぼれたそうです。

「わたしたちは、物の価値だけで整理するのではなく、“思い出”を大切にして整理しているのです。

その言葉に、じんわりと心が温かくなりました。

悪質業者と不法投棄──依頼主が罰則を受けることも

セミナーでは、知っておきたい怖い話も紹介されました。

悪質な遺品整理業者の中には、金品類だけを持ち去り
残りの家具や家電を不法投棄してしまうケースもあるそうです。

しかも、その不法投棄物の中に住所の分かるものが含まれていた場合
依頼主である家族が罰則を受ける可能性もあるとのこと。

業者を選ぶときには、実績や口コミをしっかり確認することが大切です。

「片付け=モノの処分」ではなく、「想いと責任をもって整理する」
という意識が、何より大切なんだと感じました。

「死後事務委任契約」という選択肢を知った

セミナーの中では、「死後事務委任契約」についても紹介がありました。

これは、自分が亡くなったあとに必要な手続き
(役所への届出、葬儀の手配、家の片付けなど)を
第三者にあらかじめお願いしておく契約です。

元気なうちに契約しておけば
離れて暮らす子どもや家族に過度な負担をかけずに済む可能性があるとのこと。

わたし自身も「もし何かあったとき、子どもたちに困ってほしくない」
という気持ちがあります。

すぐに動くわけではないけれど
選択肢のひとつとして心にメモしておこうと思いました。


空き家相談で分かった、わが家の現実

今回のセミナー、本来の目的はこちらでした(笑)

わたしが住んでいる家は、母の名義のまま。

いずれ子どもたちが独立して、わたし一人になったとき
空き家にして引っ越す? 売る? 貸す? と悩んでいたのです。

母名義のままでは、売ることも貸すこともできない

宅地建物取引協会と司法書士、両方の専門家に相談したときの答えは同じでした。

「お母さまの名義のままでは、売買も賃貸もできません。

認知症のため意思確認が取れず、契約ができないとのことでした。

現時点での選択肢は、次の2つだそうです。

現時点で考えられる選択肢

  • 今の家に住み続け、相続のタイミングで対応する
  • 空き家のまま引っ越して、定期的にメンテナンスに来る

どちらも、すっきりした解決策とは言いにくいですよね……。

名義変更すると贈与税が40%かかる

「母からわたしに名義を変える」という方法もあるそうです。

ただし、その場合は贈与税として土地・建物の評価額の約40%がかかるとのこと。
今すぐ売る予定がないなら、無理に変更するのは得策ではない。
というのが専門家の見立てでした。

司法書士の方からは、
「身内のどなたかに住んでもらうというのも、一つの方法ですよ」
とアドバイスをいただきました。

それなら、わたしも考えました。
先日、姉にこんなふうに聞いてみたんです。

「この家に住まない?」

すると返ってきた答えは――

「無理無理! 住みきらん!」

……ですよね〜(笑)

成年後見制度の壁と、見直しの動き

現時点では、母の不動産を動かすためには
成年後見人を立てるしか方法がないそうです。

ただし、この制度にはいくつか注意点があります。

成年後見制度で知っておきたいこと

  • 必ずしも子どもがなれるわけではなく、司法書士など第三者になることもある
  • 毎月数万円の報酬が発生する
  • 一度後見人がつくと、基本的に”終身”となる

こうなると、なかなか踏み切れませんよね。

司法書士の方によると
「不動産の売買のときだけ一時的に後見人をつけられるようにする法案」
が検討されているとのことでした。

実現すれば選択肢が広がりますが、まだまだ先の話とのことです。


その日から、お墓のことも考えるようになった

「墓じまい」という選択肢を初めて知った

セミナーで「死後事務委任契約」の話を聞いたとき
ふと「うちのお墓は、将来誰が管理するんだろう」という考えが頭をよぎりました。

親戚が少なくなっていく中
わたしや子どもたちの世代でずっと維持し続けることができるのか。
それも「先送りにしてきたこと」のひとつだと気づきました。

少し調べてみると、墓じまいという選択肢があることを
あらためて意識するようになりました。

お墓を撤去・整理して、別の形(永代供養など)に移す方法のことです。
「そういうことを考える人が、今は増えているんだ」と知るだけでも
何となく気持ちが楽になった気がしました。

まずは費用や流れを知ることから

わたし自身は、墓じまいについてまだ具体的に動いているわけではありません。

ただ、すぐに決める必要はなくても、費用の目安や手続きの流れを知っておくだけ
家族と話し合うきっかけをつくりやすくなるかもしれません。

まずは情報だけ知っておきたいという方は、資料請求などで確認してみるのもひとつの方法です。

「決めるのはずっと先でいい。でも、知っておくことは今できる。」
そう思えるだけで、少し気持ちが軽くなるのではないでしょうか。


まとめ:先送りにしてきたことを、少しずつ考え始めた日

本当は「空き家の相談をするだけ」のつもりで申し込んだセミナーでした。
それが、思いがけず深く考えさせられる一日になりました。

この日に考えたこと

  • 遺品の中に残された家族への想い・写真一枚の大切さ・悪質業者に依頼するリスク
  • 認知症になると、家族名義の不動産でも自由に動かせない現実・贈与税・成年後見制度の難しさ
  • 家のこと・遺品整理・お墓のこと——元気なうちに考えるからこそ意味がある

どれも「まだ先のこと」と思っていたけれど
「元気なうちに考えるからこそ意味がある」という言葉が、一番胸に刺さりました。

知らないままでいなくてよかった、と素直に思えた一日でした。

声をかけてくれた市役所の職員さん、ありがとうございました。

そしてこの記事が、同じような悩みを抱えるどこかの誰かのヒントになれば嬉しいです。


※ 本記事の内容は、セミナー参加時点の情報をもとに記載しています。制度・費用については最新情報を各窓口にてご確認ください。

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